2.1 なぜ2つあるの?分派の背景
京都には「東本願寺」と「西本願寺」という、名前も立地も似た2つの大きなお寺があります。この2つはともに浄土真宗の本山であり、宗祖はどちらも親鸞聖人ですが、歴史的な経緯から別の宗派として存在しています。
■ 元々は一つの「本願寺」
親鸞聖人の教えを受け継いだ弟子たちによって始まった本願寺教団は、室町時代には大きな宗教勢力となり、一つの「本願寺」としてまとまっていました。
しかし、戦国時代になると本願寺も戦乱に巻き込まれ、豊臣秀吉と敵対したり、織田信長と戦うなど複雑な政治関係を抱えていきます。やがて本願寺11世・顕如(けんにょ)上人の後継者問題が発生し、息子の教如(きょうにょ)上人が宗教的指導者として独立を図ります。
■ 東西に分かれた理由
1602年、徳川家康が教如上人に寺領を与え、新たに本願寺を創設させたのが東本願寺の始まりです。一方、従来の本願寺は西本願寺として存続しました。
この分派には、徳川家康の「一つの宗教が巨大化しすぎると政治に影響を及ぼす」という懸念があり、教団の力を分散させる意図があったとも言われています。
こうして、現在に至るまで「東本願寺(真宗大谷派)」と「西本願寺(本願寺派)」という2つの本山が並立しているのです。
■ 東本願寺(真宗大谷派)の見どころ
・御影堂(ごえいどう)
→ 世界最大級の木造建築。親鸞聖人の御真影を安置。
🔹 御影堂

・阿弥陀堂
→ 本尊である阿弥陀如来を祀る堂宇。
🔹 阿弥陀堂

・御影堂門
→ 京都でも最大級の高さを誇る門。
🔹 御影堂門

・渉成園(しょうせいえん)
→ 東本願寺の飛地境内にある名勝庭園。池泉回遊式で四季の移ろいを楽しめる。
・厳かな空気感と静けさ
→ 参拝者が比較的少なく、静かな心でお勤め(読経)に参加できる。
2.2 東本願寺と西本願寺の見どころの違い
どちらの本願寺も荘厳で美しい伽藍を持ち、歴史的価値が非常に高いですが、見どころや雰囲気にはそれぞれ異なる特色があります。
■ 西本願寺(本願寺派)の見どころ
・阿弥陀堂・御影堂
→ 東本願寺同様に立派な木造建築。国宝に指定。
・唐門(からもん)
→ 極彩色の装飾が施された豪華な国宝。
・飛雲閣(ひうんかく)
→ 聚楽第の遺構とも言われる桃山様式の名建築(非公開)。
・書院・能舞台
→ 江戸時代の華麗な武家文化を感じさせる意匠。
🔹 西本願寺 阿弥陀堂と御影堂

■ 雰囲気の違い
・東本願寺:落ち着いた雰囲気。広々とした空間に心が静まる。
・西本願寺:観光客にも人気があり、文化財が豊富で華やか。
両寺ともに親鸞聖人の精神を大切にしながら、それぞれのアプローチで仏教の教えを現代に伝えています。可能であれば、両方を訪れて違いを感じてみるのがおすすめです。